活動日誌−服部こうき
【23.11.08】“学力全国1位”の裏で…「行き過ぎた事前対策」結果 全国1位の石川県で行われていることにこだわる根深い体質
全体の44%の学校で授業中や宿題、春休み期間などを利用して過去問を繰り返し解くなどの事前対策をしていたということです
以下はヤフーニュース(MRO北陸放送)より。
『小中学生の全国学力・学習状況調査で、「行き過ぎた事前対策」が指摘されている石川県で、全体の4割以上の学校で調査の直前に過去問を解くなどの対策をとっていたことが分かりました。
文部科学省は毎年4月、小学6年生と中学3年生を対象に全国学力・学習状況調査を行っていて、石川県は今年、全5教科中、小学6年生の国語と算数、それに中学3年生の数学の合わせて3教科で全国1位でした。
例年高い水準を誇る石川県ですが、数年前から「行き過ぎた事前対策」が指摘されていました。
石川県教職員組合は、今年4月に行われた学力調査について、県内272校の小中学校に実態調査を行い、このうち158校から回答を得ました。
その結果、全体の44%の学校で授業中や宿題、春休み期間などを利用して過去問を繰り返し解くなどの事前対策をしていたということです。
県教職員組合の谷内直執行委員長は「全国学力・学習状況“調査”であって学力“テスト”ではない。事前に詰め込みで過去問をやったりしても、それは本来の子どもたちの実態とずれてくる。それに振り回される子どもたちだけでなく教職員が授業の時間を使って対策をしている、教育課程そのものに学力調査が影響している」と、事前対策の問題点を指摘しました。
一方、石川県教育委員会は今回の調査について、「過度な対策に関する情報は寄せられておらず、正答率上昇のみを目的とするような行き過ぎた事前対策はなかった」としています。
会見の中で谷内委員長は 「対策をせずに調査に臨んで、結果が悪いと(試験後に)テコ入れがあったり、業務が忙しくなったりすることが(現場の)プレッシャーになっている」 と述べました
県教育委員会は今年3月、各市町の教育委員会に向けて次のように通知しました。
「新学期の始まりにあたり、学校運営上重要な4月の授業時間を使って集中的に過去の調査問題に取り組ませるなど、調査の正答率の上昇のみを目指しているかのような誤解を招くことのないよう、4月の新学期初日から18日火曜日までの期間は過去問題や類似問題を授業や補充学習で取り扱わないこと」 一方、県教組の実態調査では 「4月中に事前対策をしないよう管理職等からの指示があったか」 という設問に全体の約6割を占める101人が「指示はなかった」と回答。
県教委から対策をしないよう働きかけがあったにも関わらず、現場レベルでは通知が届いていない状況に、谷内委員長は 「普通、県の教育委員会が(対策を)しないように言ったらゼロになるはずですよ。それがならないというところに根の深さというか問題の大きさを痛感している」と苦言を呈しました。
会見の中で谷内委員長は 「対策をせずに調査に臨んで、結果が悪いと(試験後に)テコ入れがあったり、業務が忙しくなったりすることが(現場の)プレッシャーになっている」 と述べました。
子どもたちの生活面や学習面の状況を把握する」という本来の目的に沿った実施へ。 体質の改善には時間がかかりそうです。
記者から 「テコ入れがあるというのは県教育委員会から?」と問われると、 谷内委員長は 「県教委から全くテコ入れはないが、市町の教育委員会の指導主事から指示されたという回答があった」と述べ、 「市町の指導主事としては結果にピリピリしているのかな」と、 市町の教育委員会レベルで結果にこだわる体質があることを示唆しました。
実態調査の中で、現場の教員からは 「(点数が)低いからといってテコ入れされるのは納得いかない。『対策しない』を守ったところが損をする」 「1年間、学力調査のために仕事をしている印象」 など、事前対策をせざるを得ない状況や学力調査そのものへの負担の声があがりました。
さらに、谷内委員長は 「市町の中には、学力調査の平均点が非常に高いことを売りにして学力ナンバーワンの町だとか市だとか言って、いわゆる町おこしに使おうなんていう考えを持っている所もある」 と、順位にこだわる体質の根深さは、行政も絡んだ問題だと指摘しました。
「子どもたちの生活面や学習面の状況を把握する」という本来の目的に沿った実施へ。
体質の改善には時間がかかりそうです。』