市議団の動き−申し入れ・質疑、質問通告など
【22.12.20】個人情報保護に関する条例制定への反対討論
地方に対しては自治体独自の大事な保護制度を含む個人情報保護条例をいったんリセットし、全国共通のルールを設けた上で、自治体独自の保護措置は最小限に制限し、自治体が条例で国より強い規制することがやりにくくしました。
以下は12月20日の本会議で党を代表して福沢議員が行った反対討論。
日本共産党を代表して、議案第75号亀山市個人情報の保護に関する法律の施行等に関する条例の制定について反対の立場で討論します。
亀山市には市民の個人情報がたくさん蓄積されています。
住所、氏名、生年月日や家族の情報、どんな税金をどれだけ納め、滞納しているのか、土地、建物をどれほど持っているのか、年金額はいくらかなど絶対に他人に知られては困る情報ばかりです。
こうした個人情報を勝手に集めたり、使ったりしないように決めたのが亀山市個人情報保護条例です。
昨年5月にデジタル関連法が成立しましたが、その中に「個人情報保護法」の改正も含まれ、それを受けての今回の議案の提案となっています。
地方に対しては自治体独自の大事な保護制度を含む個人情報保護条例をいったんリセットし、全国共通のルールを設けた上で、自治体独自の保護措置は最小限に制限し、自治体が条例で国より強い規制することがやりにくくしました。
反対する理由は、現行の個人情報保護条例の廃止により、個人情報の保護で大切な規定がなくなり、個人情報の保護が後退する危険性があることです。
この全国共通のルール化による規制緩和は、自治体等の持つ膨大な個人情報を匿名加工し、個人情報を外部提供するオープンデータ化・オンライン結合することで企業が自治体等の個人情報を活用しやすくすることを目的としています。
反対する理由は、現行の個人情報保護条例の廃止により、個人情報の保護で大切な規定がなくなり、個人情報の保護が後退する危険性があることです。
現行の個人情報保護条例は第10条で、「個人情報を収集する時は収集目的を明らかにし、本人から直接収集すること」とされ、個人情報の収集について具体的に規制していますが、この規定がなくなります。
また第6条では、「法令または他の条例に定める場合を除き、思想、信条及び宗教に関する個人情報並びに社会的差別の原因となる個人情報の取り扱いをしてはならない」と規定しています。
これらの情報は、漏洩した場合、犯罪に悪用されるなどの危険性があるため、いわゆる要配慮個人情報といわれ重要な規定ですが、この規定もなくなってしまいます。
このように地方自治体が長年、積み重ねてきた個人情報保護の大事な規定がなくし、企業の活用をやりやすくすることを狙ったものです。
さらに第24条では「審査会の設置」があり、「審査会は」「個人情報の取り扱いに関する重要事項について、建議することができる」とされていますが、この規定もなくなり「建議」ができなくなります。
このように地方自治体が長年、積み重ねてきた個人情報保護の大事な規定がなくし、企業の活用をやりやすくすることを狙ったものです。
保護を後退させ企業に活用しやすくするというこの条例制定には賛成できません。
個人情報の保護は、憲法13条に基づき市民は自分のどんな個人情報がどこに集められているかを知り、不当に使われないように関与し、情報の削除を求める権利を有するという自己情報コントロール権(プライバシー権)を含んだ大変重要なものです。
この憲法の規定を受けて現行の個人情報保護条例は、「個人情報は利用目的を明らかにし、直接本人から収集すること」や「思想、信条及び宗教に関する個人情報並びに社会的差別の原因となる個人情報の取り扱いをしてはならない」など個人情報を保護するための様々な規制がされているのです。
今回の現行条例の廃止と全国共通のルール化により個人情報の保護が後退する危険性があるため、この議案には反対するものです。
議員各位のご賛同を求め、討論といたします。