活動日誌−服部こうき
【25.04.21】県の「みえリニア戦略プラン中間報告」を読んだ 全てバラ色に描く酷い内容で本気でこんなことを考えているのかとしか思えないもの
災害にリニアは無傷はあり得ない 他県の大規模災害にも被災地の復旧・復興の大きな力とまで書いている
三重県が「みえリニア戦略プラン（仮称）中間報告」を３月に公表した。
三重県では2024年３月に「三重県リニア基本戦略」を策定したが、「みえリニア戦略プラン」は、この中の３つの戦略（「リニア時代の新たなライフスタイルの創出」、 「新たな玄関口からはじまる観光交流の拡大」、「新たな玄関口から生まれるビジネス交流の拡大」）及び戦略を支える基盤づくりにおける具体な取組案を検討し、「めざす 三重の姿」を実現するために重点的に展開するプロジェクトについてとりまとめたもの（「策定の趣旨」より）。
一読したが全てバラ色に描く酷い内容で本気でこんなことを考えているのかとしか思えないものだ。
最初に注目したのが、「災害リスクの分散」。
以前一般質問で取り上げたがリニアの想定される県内ルートは、南海トラフの想定震度７や６強とリニアの県内ルートが重なり、縦横に走る活断層を横切り通るもの。誰が見てもリニアが被災するのは明らかだ。
それなのにこの「中間報告」では、南海トラフをはじめとする災害にリニアは無傷であることを前提として、「他県で大規模災害が発生した際にも、被災地の復旧・復興の大きな力となる」とまで書いている。
科学的な検証を抜きにしたあり得ない想定だ。
亀山市はリニア亀山駅前整備やアクセス道路の整備にお金を使わされるだけで、市にはほとんどメリットがないことになる
次に「新たな玄関口から始まるこれからの時代に選ばれる三重となるために」では、「��県内交通ネットワークの形成による観光・ビジネス交流が活発化している」とし、「都市部だけでなく、近隣県との連携が進み、実用化が進む自動運転や空飛ぶクルマなどの次世代交通に対応したリニア三重県駅と地域交通拠点とが効率的に結ばれ、県内外の観光・ビジネス交流が飛躍的 に発展」する書いている。
ここで言うネットワークには、「実用化が進む自動運転や空飛ぶクルマなどの次世代交通」があげられているが、市内のＪＲ東海の在来線はほとんど重視されていない。
これでは亀山に駅ができても乗客は、高速道路などを利用し県内各地へ行くことを想定しているようなので、亀山に駅ができてもメリットがない。
亀山市はリニア亀山駅前整備やアクセス道路の整備にお金を使わされるだけで、市にはほとんどメリットがないことになる。
リニアによってストロー現象が進む懸念を持っているのであれば、素直にこの事業は進めるべきではないと結論づけるべき
最後に、リニアの致命的欠点である「ストロー現象」が進むという問題だ。
中間報告では、「戦略１ リニア時代の新たなライフスタイルの創出」で、「大都市圏への企業や労働力、居住者などの流出といったストロー現象が懸念される」と書き、「リニア開業に先んじて、県民生活の利便性向上や、県をまたぐ広域から人やモノを呼び込む取組を進めていく必要」があると書いている。
しかし、開業前から取り組みを進めればストロー現象が防げるというのは全く説得力がない。
リニアによってストロー現象が進む懸念を持っているのであれば、素直にこの事業は進めるべきではないと結論づけるべきだ。
追記：この中間報告は県のＨＰにあがっているのでぜひご一読を。
とりあえず３点について指摘したが、県が自画自賛するような素晴らしい事業ではなくマイナス面が大きい事業であり、とりわけ亀山市とっては「百害あって一利なし」だ。
この事業をやめさせないと将来世代に負の遺産を残すことになる。
