活動日誌−服部こうき
【23.09.19】健全化判断比率が国の定める基準内であれば、財政は健全と言えるのだろうか?
健全化判断比率には「実質赤字比率」、「連結実質赤字比率」、「実質公債費比率」、「将来負担比率」の4つがあり、令和4年度の決算はどれも問題なしとなっている。
今日からの予算決算委員会が始まり、会派を代表して総括質疑をする。
2番目の質疑者で午前11時から40分間だ。
櫻井市長は9月議会の現況報告で令和4年度の決算について、「実質赤字比率等の健全化判断比率も、国が定める基準内となっていることから、概ね財政の健全化を確保することができたものと考えております。」と述べた。
果たして健全化判断比率が国の定める基準内であれば、財政は健全と言えるのだろうか?
健全化判断比率には「実質赤字比率」、「連結実質赤字比率」、「実質公債費比率」、「将来負担比率」の4つがあり、令和4年度の決算はどれも問題なしとなっている。
「実質赤字比率」が最も大元のものなのでこれを見てみる。
結論を言えば「実質赤字比率」が国の基準以内(実質赤字比率が12.92%)であれば「概ね財政の健全化を確保することができた」とは言い切れない。
「実質赤字比率」とは、実質赤字額を標準財政規模(標準的な状態で通常収入される経常的一般財源の規模を示すもので、標準税収入額等に普通交付税を加算した額)で割ったもの。
今回の決算で実質収支は6億9,426万2千円の黒字なので指標なしとなり、問題がないことになる。
では実質収支が赤字になることはあるのか。
通常、予算で認められた歳入を超える歳出を行うことはないので、例外的なケースを除けば全国の自治体の決算は実質収支で黒字になっており、黒字が当たり前のことでまず赤字にはならない。
数パーセントでも実質赤字比率が出るということは、実質収支が赤字に転落したことを示し、基準以内でも大きな問題となる。
結論を言えば「実質赤字比率」が国の基準以内(実質赤字比率が12.92%)であれば「概ね財政の健全化を確保することができた」とは言い切れない。
(注)「実質赤字比率」が12.92%になれば、「自主的かつ計画的にその財政の健全化を図るべき基準」である「早期健全化基準」に該当する。