活動日誌−服部こうき

【23.03.03】老朽化進む亀山市の公共施設  「有利な起債」にこだわり過ぎては更新は進まない

類似団体が61.8%、亀山市が70.1%で9%ほど亀山市の方が老朽化が進んでいる

まずのこのグラフを見て欲しい。
令和2年度財政状況資料集にある「有形固定資産減価償却率」。

亀山市と類似団体(人口や産業構造が似た自治体)の比較。
減価償却率が高いということは、老朽化進んでいるということだ。

これを見ると類似団体が61.8%、亀山市が70.1%で9%ほど亀山市の方が老朽化が進んでいることになる。

この要因は何かを探ってみた。
結論から言えば、借金を嫌がって財源が確保できずに建て替えなどが進まないということだ。
逆に類似団体は借金をしながらも建て替えなどを進めている。

住民1人当たりの公債費及び公債費に準ずる費用の負担額は、類似団体が20,703円であるのに、亀山市は4,645円と5分の1程度でしかない。

借金を嫌がっている理由で大きいのは、財政状況資料集の分析で「今後についても借り入れを行う場合には、交付税措置のある有利な起債の借入を行い、財政の健全化を図ります。」と書いているように、ごく限られた交付税措置のある起債に限定しているために、それ以外の交付税措置のない起債をあまり活用しようとしていないからではないかと考える。

(注)交付税措置とは、起債の元利償還金を地方交付税の基準財政需要額に含めて計算し、地方交付税の一部として組み込む措置。

その結果、財政状況資料集の「公債費及び公債費に準ずる費用の分析」で明らかなように、住民1人当たりの公債費及び公債費に準ずる費用の負担額は、類似団体が20,703円であるのに、亀山市は4,645円と5分の1程度でしかない。
(注)公債費とは過去の起債(借金)の返済に充てる元利償還金と一時借入金の利子のこと。

起債(借金)に関しては亀山市は類似団体と比較してもまだまだ余裕があるということだ。

借金が増えることは将来世代に負担がいくのでブレーキをかけることは必要だが、少なくとも類似団体の水準程度までは十分に起債は可能だ。

また将来負担比率は84の類似団体中1位、実質公債費比率は同じく3位と、市が言う「財政の健全化」が図られている。

しかし、必要な公共施設の建て替えなどをせずに、「財政の健全化」を自慢されても市民は喜ばない。

借金が増えることは将来世代に負担がいくのでブレーキをかけることは必要だが、少なくとも類似団体の水準程度までは十分に起債は可能だ。
老朽化が類似団体より進んでいる亀山市は、類似団体程度の起債を行い建て替えなどを進めるべきだ。

最近建て替えをした川崎小学校は約24億円かかったが、このうち国、県の支出金は事業費の1割弱しかなく、起債(事業費の56%−13億4千万円)もその大半が交付税措置のないもの。
「交付税措置のある有利な起債の借入」にこだわっていたら建たなかっただろう。

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