活動日誌−服部こうき

【21.05.06】「自治体のごみ処理予算がなぜ高くなるのか」を考える

「都市と廃棄物」誌によれば1トン当たりの焼却炉建設費単価は、2011年度には4,087万円だったのがその後年々増加し、2019年度には2.5倍以上の1億345万円に跳ね上がっている。

先日、月刊誌「議会と自治体」5月号の『脱炭素「脱プラスチック」社会の廃棄物行政を考える』(著者−岩佐恵美さん)という文の一部を紹介した。
その続きになるが、「増える自治体のごみ関連予算と自治体財政」の項が大変重要なので、紹介したい。

まず、焼却炉建設費用が高く、この10年間に2倍になっているということ。
「都市と廃棄物」誌によれば1トン当たりの焼却炉建設費単価は、2011年度には4,087万円だったのがその後年々増加し、2019年度には2.5倍以上の1億345万円に跳ね上がっている。
自治体は焼却炉メーカー言いなりの価格で買わざるを得ず、地方財政の圧迫にさらに追い打ちをかけている。

自治体の負担は焼却炉建設費用だけではない。
より複雑になった焼却施設を管理するには、従来の自治体職員の手に負える段階ではなくなっているため、専門の管理職員を抱えた管理会社に委ねるしかなくなっている。
そのため、各焼却炉メーカーは独自の管理のための子会社を持っていて、自治体は焼却施設の購入と同時に、同じメーカーの系列会社に管理運営を委ねなければならない状況に追い込まれる。
(注)亀山市の溶融炉は、メーカーが日鉄エンジニアリング(株)で、委託は日鉄環境プラントソリューションズ(株) 。

「ごみの排出削減によって、無駄な支出を抑えると同時に、ごみを資源としてとらえ、ごみを分別することによって、新たな財源を生み出すことができ、再生可能エネルギーの確保にもつなげている」自治体もある

この委託費の増大も自治体財政を圧迫する。
委託費の詳細(全国)だが、2005年度に5,848億円だったのが2018年度には8,214億円へと4割増になっている。
焼却炉メーカーが炉を販売し、同時に二十数年以上も自治体から維持管理費を通して膨大な利益を得る構造になっている。

こうした流れに対して「ごみの排出削減によって、無駄な支出を抑えると同時に、ごみを資源としてとらえ、ごみを分別することによって、新たな財源を生み出すことができ、再生可能エネルギーの確保にもつなげている」自治体もあるという。
著者の岩佐恵美さんは、福岡県大木町や鹿児島県志布志市、山形県長井町、栃木県茂木町、徳島県上勝町を例にあげて、焼却中心から環境・資源循環重視に変わるべき時だと指摘している。

そして国に対しては、「ごみを出さない、再利用する、そして、分別資源化する」ための自治体の具体策にこそ、支援の力を注ぐべきだと強調している。

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