活動日誌−服部こうき

【20.07.04】水野和夫法政大教授 「リニアにより東京−名古屋−大阪を結び、スーパーメガリージョン(巨大都市圏)を形成するという考え方は時代遅れ」

感染症に耐えられるのか リニア新幹線計画は、東京、名古屋、大阪を1つの巨大都市にすることを目指したスーパーメガリージョン構想に基づくもの

新型コロナ感染症で大都市ほど感染症に弱いということが明らかになってきた。
リニア新幹線計画は、東京、名古屋、大阪を1つの巨大都市にすることを目指したスーパーメガリージョン構想に基づくもの。
こんな大都市をつくって感染症に襲われたどうなるのか。
答えは明確だろう。

そんな疑問に答えてくれたのが、中日新聞(静岡版)に載った水野和夫法政大教授へのインタビュー記事「経済成長見込めず不要」だ。
少し長いが全文紹介したい。
『 東京−名古屋間を四十分、東京−大阪間を六十七分で結ぶリニア中央新幹線。
金利ゼロ時代に成長を追うことに否定的で、資本主義の終焉(しゅうえん)を問うてきた経済学者、水野和夫法政大教授(66)の目に、どう映るのか。
新型コロナウイルスの感染が拡大し、世界的な経済停滞に直面する今、その考えを聞いた。 (聞き手・大杉はるか)

リニアは安倍政権の成長戦略の一環

−リニアは安倍政権の成長戦略の一環だ。
 「大胆な金融政策」「機動的な財政政策」「民間投資を喚起する成長戦略」というアベノミクスは大失敗だ。
もとから成長戦略はつくれない状態だった。
事実上のゼロ金利は一九九五年から始まり、債券市場は「国内に優良な投資先はない」というメッセージを送っている。
それを無視し「成長」をまるで宗教のように信じている。
成長ですべての問題を隠せると。
だが成長はもうない。
成長戦略というおまじないに気付かない人が、「夢をもう一度」と頑張っている。

リニアにより東京−名古屋−大阪を結び、(人、モノ、金を集めて国全体の成長につなげる)スーパーメガリージョン(巨大都市圏)を形成するという考え方は時代遅れ

−成長を追い求めてはいけない。
 食品、衣料品、住宅など供給力は余っている。
作っては捨てている状態。
エネルギーを無駄に消費することが温暖化を招く。
無駄なことはやめるべきだということ。
日本はすでに豊か。
貧しくなれというわけではない。
 
 −リニアの必要性をどう考えるか。
 二〇〇〇年代初めに(英仏が共同開発し、〇〇年に墜落事故を起こした)超音速旅客機コンコルドが運航停止となった。
「より速く」という価値観を求める時代が終わった象徴だ。
リニアにより東京−名古屋−大阪を結び、(人、モノ、金を集めて国全体の成長につなげる)スーパーメガリージョン(巨大都市圏)を形成するという考え方は時代遅れ。
人口二百万〜三百万人単位で地域を分散させ、工業や農業、エネルギーも各経済圏で完結、自立させるべきだ。

外出自粛が求められ、テレワークも普及する中で、無駄な出張の見直しも進むだろう

−新型コロナは大都市での感染が目立った。
 米国のスーパーメガリージョンはワシントン−ニューヨーク−ボストン。
ニューヨークの新型コロナ被害は深刻だった。
二十一世紀になりグローバル化が感染症を拡大している。
「より速く」の弊害だ。
外出自粛が求められ、テレワークも普及する中で、無駄な出張の見直しも進むだろう。

−「より速く」とは。
 利益の追求だ。
人より速く得ることが利益獲得の最大の方法になっている。
東海道新幹線は既に、「企業戦士」を家畜のように運ぶ使命で、東京という巨大都市をつくった。

ここで突っ走れば、後世になって誰も乗らないものを造ったということになるだろう

 −利益を追求するのが企業の使命では。
 株主の発言権が強すぎる。
経営者が「わが社はもうけなくていい。
利益は十分だ」と言った瞬間、解任される。
だから、すれすれのことをしないともうけられない。
会社は株主だけでなく、社員ら利害関係者全員のものだ。
にもかかわらず、今回のコロナでも、企業を支えてきた派遣社員の雇い止めが見られた。

 −リニアの静岡工区は県が同意せず、いまだ着工していない。
 川勝平太知事がせっかく止めてくれている。
ここで突っ走れば、後世になって誰も乗らないものを造ったということになるだろう。』

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