活動日誌−服部こうき
【13.02.17】賃金が長期にわたって、連続的に減り続けている――こんな国は先進国の中でも日本だけです 共産党がアピールを発表
昨年の勤労者の平均賃金は、1990年以降で最低となり、ピーク時の1997年より年収で約70万円も減っています
昨日ある税理士さんと会う機会があり、株価の高騰の話になった。
彼が言うには、今の株価の高騰は投機筋が主なものでそれにつられて最近では個人投資家も増えてきた。
しかし、投機筋はいずれ売りに出て株価が下がり、その時に損をするのは個人投資家だ。実体経済が良くならないのに、株価が上がっているのだからというような話だった。
話は変わるが、日本共産党が14日に「働くみなさんへのアピール」を発表した。
その中の一部を紹介しよう。
『働く人の賃金の低下と労働条件の悪化に歯止めがかかりません。
昨年の勤労者の平均賃金は、1990年以降で最低となり、ピーク時の1997年より年収で約70万円も減っています。
非正規雇用が、労働者の3人に1人、若者と女性では2人に1人にまで広がり、年収200万円にも満たない労働者が1000万人を超えています。
低賃金で不安定な働き方の非正規雇用の拡大は、正規雇用の労働者の賃金と労働条件の低下、長時間労働に拍車をかけています。
日本は所得が88%に減少、アメリカ―178%、イギリス―190%、フランス―163%、ドイツ―129%と増加
この10年余の間に、平均でも月給の2カ月分程度の収入がなくなったのですから、ローンや教育費をはじめ、労働者とその家族の暮らしの悪化は深刻で、賃上げと安定した雇用への願いは、いよいよ切実です。
同時に、賃下げと雇用不安が広がり続ける日本社会の現状は、世界の流れから見ても異常さを際立たせています。
賃金が長期にわたって、連続的に減り続けている――こんな国は先進国の中でも日本だけです……日本は、1997年からの14年間に、働く人の所得(雇用者報酬)が88%に減少しました。
同時期に、欧米諸国では、アメリカ―178%、イギリス―190%、フランス―163%、ドイツ―129%となっています(下の「各国の雇用者報酬と国内総生産の推移」を参照)。
最低賃金は先進国で最低水準です……日本の最低賃金は、全国平均時給749円にすぎず、フランス1084円、イギリス928円、オランダ1021円、アメリカ753円(2012年OECD購買力平価)など、先進国で最低水準です。
最低賃金で年間2000時間働いても年収は150万円以下ですから、低賃金労働者を生み出しやすく、それが全体の賃金を引き下げる構造になっています。
各国の雇用者報酬と国内総生産の推移
日本の非正規雇用は35.5%、ドイツ―14・5%、フランス―13・5%、イギリス―5・7%と比しても異常な多さ
非正規雇用の急増も日本の異常さの表れです……日本の非正規雇用は、1980年代から1990年代の前半までは労働者全体の1〜2割程度でしたが、いまや35・5%までになっています。
これもドイツ―14・5%、フランス―13・5%、イギリス―5・7%と比しても異常な多さです。
EUでは、「ヨーロッパは、低賃金と低技能を利用して国際競争力を維持することはできない」(2007年3月 ヨーロッパ議会雇用・社会問題委員会の文書)としています。
無法な解雇が横行しています……10回にもおよぶ「面談」での「退職強要」、退職に追い込む対象者を「追い出し部屋」に閉じ込める、終業時間間際に「成績不良」と決めつけた「解雇通告」を読み上げ、「私物をまとめてすぐ出て行け、二度と会社に来るな」というロックアウト解雇――こんな無法がまかり通っているのも日本でだけです。
ILO(国際労働機関)は、1999年の総会で「ディーセント・ワーク」――人間らしい生活を営める、働きがいのある労働――をかかげ、その実現に向けて国際的な取り組みがすすんできました。
ところが日本では、これに逆行して、1990年代後半から「使い捨て」の非正規雇用が広がり、賃金も下がり続け、無法なリストラ・解雇が横行するという、“人間らしく働き生活する”という、世界では当たり前の労働者の権利がないがしろにされてきました。
2013年春闘では、全労連は「月額1万円以上の賃上げ」、連合は「1%の賃上げ」と、それぞれが賃上げを要求しています。
賃上げと安定した雇用の拡大は、労働者とその家族の生活の実態からも当然であるとともに、世界の流れからみても、きわめて当然の要求です。
日本共産党は、この要求を強く支持するとともに、ともにその実現のためにたたかうものです。』(アピールの全文は日本共産党中央委員会のHPでお読みください。)